2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、子どもの習い事としてプログラミングへの関心が急速に高まっています。「わが子にもプログラミングを」と考える保護者の方は多いものの、
「たくさんありすぎて、どのスクールを選べばいいの?」「うちの子に合うのはどんな教室?」といった保護者さまの悩みも尽きません。
プログラミング学習を始めても、スクール選びを間違えてしまうと、「授業についていけない」「内容がつまらない」といった理由で、お子さんのやる気を削いでしまう可能性があります。継続したプログラミング学習をしていくならば、お子さんが「楽しい!」と感じながら、主体的にプログラミングを学び続けられる環境を選ぶことが何よりも重要です。
この記事では、小学生の長男と一緒にプログラミングを学び体験してきた筆者が、小学生のお子さんを持つ保護者の皆さまに向けて、
- 小学生にプログラミング教育がなぜ必要なのか
- プログラミングスクールの種類とそれぞれの特徴
- 失敗しないためのスクール選びの具体的なチェックポイント
を解説しています。皆さんのプログラミング教室選びの参考になれば幸いです。
目次
プログラミングスクールの選び方の結論
たくさんあるプログラミングスクールの種類は、大きく以下の3つのポイントで分類することができます!
失敗しないためのプログラミングスクール選びで重視すべきチェックポイントは以下の7つです!
お子さんに合ったプログラミングスクールを選ぶためには、上記のポイントを意識して教室を選択することが重要です!
以下、その理由を詳しく解説しています!ぜひ最後までお読みください!
なぜ必要?小学生のプログラミング教育が注目される理由

「プログラミングなんて、一部の専門家だけが必要なスキルでは?」そう考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、小学校教育でプログラミング教育が必修化された背景には、現代社会の変化に対応し、未来を生きる子どもたちに必要な資質・能力を育むという明確な狙いがあります。具体的にどのような力が育まれるのか、小学生のプログラミング教育では、以下のことに効果があるとされています。
小学生向けプログラミングスクールの種類と特徴

小学生向けのプログラミングスクールの種類は、大きく以下のポイントで分けられます。
①通学型(対面型) or オンライン型
②グループレッスン or 個別指導(マンツーマン)
③教材はなにか。(ロボット/ゲーム/それ以外など)
以下では、プログラミング教室の種類をわけるポイントと、それぞれのメリット・デメリットを説明します。お子さんの性格や学習のやり方、ご家庭の状況に合わせて最適な形式を選ぶことが、プログラミングスクール選びで一番大切なことです。
通学方法は?通学 or オンライン
数あるプログラミングスクールの種類を、通学方法で分類すると、実際に通学するタイプの通学型の教室か、オンラインで指導してくれる教室か、の2つに分けられます。
通学型・オンライン型には、それぞれの特徴とメリット・デメリットがあります。以下、詳しく確認していきましょう。
通学型スクール

通学型のプログラミングスクールは、決められた曜日・時間に教室に行き、直接講師の先生に教えてもらうタイプのスクールになります。
教室に指導用のパソコンが常備されている場合がほとんどで、受講生は教室に通学するだけで、プログラミングに関する指導が受けられます。教室にもよりますが、だいたい1回60分〜90分くらいの講義をするスクールが多いです。
→通学型のプログラミングスクールの例
QUREOプログラミングスクール:全国に3200以上の教室数を展開。個別指導。
プログラミング教育HALLO:全国に約800以上の教室展開。オンライン校も存在。
STEMON(ステモン):プログラミング、ロボット、理科、算数などSTEAM教育。グループレッスン。
オンライン型スクール
オンライン型スクールとは、自宅のパソコンとスクールを、オンラインでつなぎ、プログラミングを学ぶことができるスクールになります。ZOOMなどのビデオ通話を使いながら学習することで、自宅にいながら、プログラミング教室に通うことができます。
→オンライン型スクールの例
アンズテック:ScratchやUnityを採用したオンライン専門校。少人数指導・個別指導。
デジタネ:動画教材でScratch、マイクラ、Pythonなど幅広いジャンルのコンテンツを低価格で配信。個別指導。
Codeland(コードランド):ScratchやWeb制作など多彩なコースを配置している。個別指導。
指導方針は?グループレッスン or 個別指導
指導方法にもプログラミング教室によって違いがあります。指導方法を大きく2つに分けると、「グループレッスン」か「個別指導」かに分類されます。
それぞれの特徴を以下に解説していますので、確認していきましょう。
グループレッスン

「グループレッスン」では、講師の先生1名(数名の場合あり)につき、複数名の受講生が同時に学ぶスタイルになります。一般の学習塾をイメージするとよいでしょう。通学型のスクールはもちろん、オンライン型のスクールでも、グループレッスンを取り入れているスクールも多いです。
グループレッスンでは、学校の授業のように、講師の先生の指導のもと、受講生それぞれが課題に取り組みます。受講生同士のディスカッションや発表をし合う活動を取り入れているスクールもあります。
グループレッスンを取り入れているプログラミングスクールの例
LITALICOワンダー:幅広いカリキュラムで個々の興味やスキルに応じた指導を展開。通学型。
Tech Kids School(テックキッズスクール):基礎から応用までを体系的に学べるカリキュラム。プレゼンテーションスキルの向上も重視。オンライン・通学型。
スタープログラミングスクール:低学年からプログラミングの基礎をロボットやタブレットアプリなど取り組みやすいものから順を追って指導。通学・オンライン通学あり。
個別指導

逆に「個別指導(マンツーマン)」では、講師一人につき、受講生が一人というスタイルの指導法になります。通学型スクール・オンライン型スクールのどちらでも個別指導は存在します。

個別指導・グループ指導のメリット・デメリットは、普通の学習塾とだいたい同じイメージだね。
個別指導スクールの例
QUREOプログラミングスクール:全国に3200以上の通学型の教室あり。オンライン校もあり。料金は教室ごとに異なる。
個別指導Axis(アクシス):通学型の個別指導の学習塾。KOOVパートナープログラミング教室になっており、ロボットプログラミング講座を行っている。
Codeland(コードランド):ScratchやWeb制作など多彩なコースを配置している。オンライン専門校。担当メンター制度あり。興味や成長にあわせてコースを選べる。
スクールで扱う教材は?ロボット?ゲーム?
一口にプログラミングといっても、扱う言語や目的は数え切れないほど存在します。子供用のプログラミングスクールで扱うプログラミング教材も、スクールによって様々です。お子さんが継続して学習を進めるためにも、お子さんが興味のある教材を扱っているプログラミングスクールを選びましょう。
プログラミングスクールで扱っているツールは様々ですが、大きく2つに分けることができます。「ロボットを組み立て操作する」ロボット系プログラミングか、ScratchやPhysonのように、ゲームを教材とする「ゲーム」プログラミングかです。

厳密には、「ロボット」、「ゲーム」以外にもプログラミング教材はあるけど、多くの子供用プログラミングスクールはどちらかの教材を採用しているよ!
以下では、教材としての「ロボット・プログラミング」と「ゲームプログラミング」の特徴を説明していきます。
ロボット・プログラミングの特徴

参考:KOOV公式
ロボットプログラミングとはその通り、ロボットを題材としたプログラミングです。プログラミングでロボットに命令をして動かすことが目的です。ロボット・プログラミングを題材にしているプログラミングスクールでは、ロボットを組み立て、ロボットを操作する活動を通してプログラミングを学んでいきます。
ひとくちにロボットといっても、KOOVというブロックロボットや、マイクロビットという電子工作キット、ブロックでおなじみLEGOのプログラミング製品など、その種類は多岐にわたります。

ロボット型プログラミングは、教材によって身につけられるスキルが違うことも特徴だね。
ゲーム型/テキストプラグミング型

ゲーム型のプログラミングとは、パソコン上でプログラムを構成し、パソコン上で動くアプリやWebページを制作するプログラミングスタイルです。子ども用プログラミング言語のScratch(スクラッチ)や、ゲームでおなじみのマインクラフトを使ったプログラミングが有名です。
ロボット型のプログラミングよりも、準備物が少なく、参入のハードルが低いことから、多くのプログラミングスクールでゲーム型を採用しています。
おすすめの教材はお子さんによって違う
教材に関しては、一概に「この教材がベスト」という教材はありません。お子さんの興味関心やご家庭の経済状況に合わせて、継続できる教材を選べるとよいでしょう。
最近では、オンラインでもバーチャル空間で交流できたり、対面でも個別ブースで集中できたりするなど、それぞれのデメリットを補う工夫をしているスクールも増えています。資料請求や体験授業を通して、実際の指導形式や雰囲気を確かめることが重要です。
【超重要】後悔しない!小学生プログラミングスクール選び7つのチェックポイント

数多く存在するプログラミングスクールの中から、本当にお子さんに合った場所を見つけ出すために、必ずチェックしておきたい7つの重要ポイントをまとめました。これらの点をひとつひとつ丁寧に確認し、比較検討を進めましょう。
Point 1: 子どもの興味・関心に合っているか?(最重要!)
どんなに評判の良いスクールでも、お子さん自身が「面白そう!」「やってみたい!」と思えなければ、学習効果は半減してしまいます。プログラミングと一口に言っても、ゲーム作り、ロボット制御、アニメーション制作、Webサイト作成など、内容は多岐にわたります。お子さんが、「今、やりたいことがプログラミングスクールでできるか」がスクール選びで最も重要なことです。
お子さんが何を作りたいのか?何を学びたいのか?を把握したうえで、プログラミングスクールがお子さんのやりたいことを満たしているかをチェックします。使用しているツール(Scratch, Minecraft, ロボットキット等)やカリキュラムなどが、お子さんの興味・関心を左右する要素になります。

「お子さんが目を輝かせて、自分から取り組んでいるか?」が最大の判断材料です!
Point 2: カリキュラムの内容とレベルは適切か?
たとえばスクールが「初心者向け」と謳っていても、そのレベル感はスクールによって様々です。
将来的なステップアップも見据えて、どのようなスキルがどのくらいの期間で身につくのか、全体像を把握しておくことが大切です。
対象年齢や求められるスキルがお子さんに合っているかを確認しましょう。

たとえば、「タイピングスキルやマウスの操作などの面倒を見てくれるか」など、お子さんのレベルに合ったスクールを選べるといいです。
Point 3: 指導形式は子どもに合っているか?
前述の通り、オンライン型か通学型か、グループレッスンか個別指導かは、お子さんの性格や学習スタイルに大きく影響します。
どちらが良い・悪いではなく、「わが子に合っているか」という視点で選びましょう。
Point 4:教えてくれる講師の質は高いか?
講師のプログラミングスキルが高いことと、子どもに教えるのが上手いことは必ずしもイコールではありません。
専門知識はもちろん、子ども目線で分かりやすく説明する力、一人ひとりの個性に合わせてやる気を引き出す力、根気強く向き合う姿勢などが求められます。
Point 5: 料金体系は明確で納得できるか?
月謝の安さだけで判断せず、入会金、教材費(特にロボットキットなどは高額になる場合がある)、PC・タブレットのレンタル費、イベント参加費など、トータルでかかる費用を必ず確認しましょう。
忘れがちなのが、欠席時の返金・授業振替制度です。家庭の都合で、スクールを欠席しなければならない場合の授業振替があるか、返金があるか、なども、長期的に通うなら重要です。
Point 6: 通いやすさ・続けやすさは?
せっかく良いスクールを見つけても、通うのが負担になったり、続けにくい環境だったりすると長続きしません。学習を継続するためには、内容に加えて環境も重要です。
通学型のスクールの場合、
- 自宅からの距離
- 交通手段
- 所要時間
- 送迎が必要か
などが、スクールの続けやすさ、通いやすさに影響します。
オンライン型のスクールの場合は、
- レッスン時間はご家族の生活リズムに合っているか?
- 自宅からスクールへのオンライン接続はスムーズか?
などをチェックすべきでしょう。
Point 7: 体験授業や説明会に参加して確認する
プログラミングスクールでは、入会前に必ず無料体験に参加しましょう。
体験授業や説明会は、Webサイトやパンフレットだけでは分からない、実際の教室の雰囲気、授業の進め方、講師の人柄などを肌で感じることが非常に重要です。できれば複数のスクールを体験し、比較検討しましょう。
ほとんどのプログラミングスクールでは、入会を検討している方向けに無料の体験授業や説明会を実施しています。体験授業や説明会は、スクールの実態を知るための、またとない貴重な機会です。必ず参加し、上記にあげたPoint1~Point6を重点的にチェックしましょう。
これらの7つのポイントを、お子さんと一緒に話し合いながらチェックし、各スクールを評価していくと、比較検討がしやすくなります。焦らず、時間をかけて、最適なスクールを見つけましょう。
自宅でもプログラミングは学習できる
プログラミングスクールをチェックしてみて、あまり入会に意欲を感じられなかった場合、無理にどこかのスクールに入会する必要はありません。無料で、自宅で学習できるのがプログラミングの良いところです。
無料で自宅でできるプログラミングでは、初心者であれば、Scratchやcode.orgなどがおすすめです。自宅でプログラミングをする中で、行き詰まったり、「もっと詳しく知りたい!」と思ったとき、改めてプログラミングスクールを検討すればよいと思います。
まとめ
プログラミングスクール選びは、お子さんのプログラミングスキルを効率的に伸ばすために重要な工程です。スクール選びのポイントをしっかり抑えて正しく選ぶことで、その後のプログラミングの。またプログラミングスクールが必ずしも必要なわけではありません。お子さんによっては自宅でプログラミング学習をすることも視野に入れて検討していきましょう。